計画班C01の東北大学・川又生吹助教らの研究成果が,Soft Matterに掲載されました.

2021.06.04

Keita Abe, Satoshi Murata, Ibuki Kawamata*, Cascaded pattern formation in hydrogel medium using the polymerisation approach, Soft Matter, 2021, DOI:10.1039/D1SM00296A

人工的に設計したDNA反応拡散系により、3本のライン状のパターンを多段階に形成させることに成功しました。
本研究は東北大学で開発した様々な技術を結集して実現されました。
まず、3Dプリンタで出力した鋳型を用いて左右に穴の開いたハイドロゲルを準備し、それぞれの穴の中に合成DNAを加えました。
2種類のDNAはハイドロゲル中を拡散し、やがて中央部で出会い、我々が「2-セグメント重合」と名付けた反応を起こします。
その結果、巨大分子となったDNAはハイドロゲル中を拡散できなくなるため、システム全体を俯瞰してDNAの分布を観察すると中央にライン状のパターンが現れます。
このライン状のパターンは、これまで報告されたパターンに比べて非常にシャープであり、DNAを局所に集める方法として優れていることをみいだしました。

さらに我々は、DNAの拡散速度を分子量で制御し、さらに2-セグメント重合の結果、新たなDNAを出力する仕組みも開発しました。
そのような仕組みにより、まず左右に2本のライン状パターンを形成し、その後、その間に3本目のライン状バターンを形成させることに成功しました。
蛍光顕微鏡により観察したパターン形成の様子は、偏微分方程式として定式化したシミュレーション結果とも良く一致し、システム全体が合理的に設計されていることが分かりました。
本研究で開発された技術は、分子ロボティクスや分子サイバネティクスの研究において、分子の時間的・空間的挙動を制御する方法として用いられることが期待されます。