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領域概要

はじめに

本領域は,「いかにして個別の分子材料や分子デバイスをシステムとして組み上げるか」に重点を置いて実施した新学術領域「分子ロボティクス」(2012-17)の基本理念を継承しつつ,より大規模な分子システム構築の方法論の開拓に挑戦する領域です.具体的には,センサ,プロセッサ,アクチュエータといった異なる機能をもつ分子を,リポソームをはじめとする人工細胞(コンパートメント)に実装し,さらにこれらを結合することにより,複雑な機能をもつシステムを構築する方法論の研究に取りみます.ここで研究する方法論は,部品を配線で組み合わせる通常のロボットやコンピュータとは異なり,すべての機能を溶液中の分子間の反応としてボトムアップに組み立てる新しい方法論,つまり「分子システム工学」と呼ぶべきものです.本領域では,ミクロンサイズの人工の脳(ケミカルAI,ミニマル人工脳)を構築するプロジェクト型の研究を行います.知的情報処理の例として「パブロフの条件反射」を取り上げ,それを実現するために必要となるセンサやアクチュエータなどの分子デバイス群の設計と合成,記憶や学習の機能をもつ化学反応回路の設計,これらの分子をシステムとしてインテグレーションする技術の開発に取り組みます.

領域代表 村田 智(東北大学)