【2024.08.22】第12回分子サイバネティクス・第56回分子ロボティクス定例研究会のお知らせ

2024.08.05

(当イベントは終了しました)

第12回分子サイバネティクス・第56回分子ロボティクス定例研究会のお知らせ


日時:2024年8月22日(木)14:00~18:00(予定)
会場:北海道大学 理学部本館 N308室(予定) 札幌市北区北十条西8丁目
CBI学会・分子ロボット研究会

申込み:登録フォーム

発表申込締切:8月8日(木)※交通手段・宿泊場所の確保にご留意ください。
参加申込締切:8月15日(木) 

招待講演:
    茂木文夫先生(北海道大学遺伝子病制御研究所)
    西上幸範先生(北海道大学電子科学研究所)

招待講演題目・要旨:
■茂木文夫先生「力学と化学の連携による細胞と組織のパターン形成」
生物が卵から個体に至る過程では、様々な細胞が固有の運命・形・機能を獲得する。この過程では細胞が「機械的な力」を感知・応答する現象が重要であることが近年発見された。力作用は、細胞内で不均一に分布して一見不規則な変動を示すが、最終的には細胞に規則的なパターンを確立させる。力作用が化学反応と連携して細胞の運命・形・機能を制御する仕組みを解明する試みとして、本講演では線虫C. eleganの受精卵と卵母細胞をモデル系とした一連の研究を紹介する。受精卵が精子由来因子によって細胞内力作用を対称から非対称に転換し、運命決定因子のパターン形成を誘導する分子メカニズム(文献1−4)と、卵母細胞が細胞質流動を介して形態形成するメカニズム(未発表)を紹介することで、力学と化学のクロストークによるパターン形成を議論する。
参考文献
1)Dev. Cell (2019) doi: 10.1016/j.devcel.2019.05.010.
2)Nat. Cell Biol. (2017) doi: 10.1038/ncb3577
3)Nat. Chem. Biol. (2018) doi: 10.1038/s41589-018-0117-1
4)Cell Rep. (2021) doi: 10.1016/j.celrep.2021.109326.
■西上幸範先生「原生生物の行動研究」
近年,遺伝情報の入手が容易になり網羅的な遺伝情報の収集とそれに基づく生物の分類が行われている。その結果,私たちに身近な動物,植物,菌類といった目に見える大型の生物の多様性は生物多様性のごく一部にすぎないことが分かってきた.一方で,これまで目に見えない小さな存在として重要視されてこなかった単細胞真核生物(原生生物)こそが真核生物の多様性を担っていることが明らかになった.このような多様な原生生物は外環境に応じて適切な行動を行う。例えば、餌の多い壁付近への集積や、細胞外の流れに逆らう行動、狭小空間への局在、巨大空間における細胞集団での移動などである。これらの行動は21億年前から地球上で生存してきた原生生物の生存戦略である。本発表では遺伝的多様性を背景とし、進化の過程で磨き上げられた多様な原生生物の生存のための行動を紹介する。少なく表示する