定例研究会

第11回分子サイバネティクス・第55回分子ロボティクス定例研究会のお知らせ

2024.06.05

(当イベントは終了しました)

第11回分子サイバネティクス・第55回分子ロボティクス定例研究会のお知らせ

日時: 7/29 (月) 15:00~
会場:JAIST金沢駅前オフィス
https://www.jaist.ac.jp/top/kanazawaoffice/

参加費:無料

世話人:藤本 健造(北陸先端科学技術大学院大学

申込み:登録フォームはこちら

主催:CBI学会 分子ロボティクス研究会

協賛:学術変革領域(A)分子サイバネティクス

招待講演1: 松村 茂祥 先生    富山大学 学術研究部 理学系)
「液滴マイクロ流体システムによる擬細胞内RNA実験進化
要旨:RNAを人為的に進化させる実験により、RNAの物性・機能、生命の起源との関わりなどについて、天然のRNAを調べるだけでは分からなかったさまざまな知見が明らかにされてきました。これらの実験は主に試験管内の均一溶液内で行われてきましたが、微小液滴(エマルジョン)を高度に操作するマイクロ流体システム技術を用いることで、細胞を模した液滴(擬細胞)内で実験進化を行うことが可能になります。擬細胞を用いることで、RNAの機能選択の自由度が大きく向上し、これまでの実験では追究・検証できなかった分子・事象を取り扱うことができるようになりました。本講演では、液滴マイクロ流体システムの技術基盤から、それを用いた実際の実験進化の例、そこから得られた想定外の事象の発見など、最近の成果を中心にお話したいと思います。

招待講演2: 山口 拓実 先生(北陸先端科学技術大学院大学)
「オリゴ糖鎖の描像と制御:知る・使うから、つくるまで」
要旨:細胞の表層を覆う糖鎖は、発生・分化・免疫・神経活動など生命現象の様々な局面に関与していることがわかりつつある。ウィルス感染をはじめ多くの疾患にも糖鎖が関わっており、細胞の顔としての糖鎖の存在は、医療や創薬のターゲットとしての重要性も増している。
ところで、自然界に存在するタンパク質の半数以上は、糖鎖による修飾をうけていると見積もられている。タンパク質上の糖鎖は、その安定性の維持に寄与するばかりでなく、機能制御のためにも欠かせない。また、新生タンパク質のフォールディング・輸送・分解といった運命を決定しているのも、それらを修飾している糖鎖である。本発表では、糖鎖が関与するこうした巧妙な分子システムを概説するとともに、立体構造解析を中心とした糖鎖物理化学研究や、分子設計に基づく糖鎖機能研究について紹介する。