(当イベントは終了しました)
2022年3月25日(金)に第3回分子サイバネティクス・第47回分子ロボティクス定例研究会(オンライン)を開催いたします。
今回は分子ロボティクス研究会学生委員の企画により、生命現象の数理的理解と制御をテーマに、最前線でご活躍中の先生方にご講演を頂きます。
皆様のご参加をお待ちしております。
主催:計測自動制御学会システム・情報部門「知能分子ロボティクス調査研究会」
後援:科研費学術変革領域(A)「分子サイバネティクス」
日時:3月25日(金曜日 13:00〜15:10頃予定)
場所:ZoomのURLを追って連絡いたします.
参加費:無料
参加申し込み:https://forms.gle/QfYX9ByiKqvK195HA
*申し込みをされた方に3月22日(火)にZoomミーティング情報を配信します。入力されたメールアドレスを利用するため入力ミスにはお気をつけください。
*なお,3月22日(火) 15:00までにZoomミーティング情報が届かない場合は,お手数ですが,下記<お問い合わせ>までご連絡ください。
===== プログラム =====
【講演1】
井村 順一 先生 (東京工業大学 教授)
演題:遺伝子ネットワークにおける高次元小標本データに基づく再安定化
要旨:近年,未然に疾患の発症を防ぐために,超早期の予兆検出と予防医療の実現に向けて,様々な研究が進められている。本発表では,遺伝子ネットワークの質的変化により引き起こされる健康状態から疾病状態に遷移する過程において,疾病直前の未病状態から健康状態に引き戻すための予防医療に関する基礎的な理論研究を紹介する。具体的には,予防のための遺伝子ネットワークへの介入を制御とみなし,健康状態に引き戻するための再安定化手法を提案する。対象とする遺伝子ネットワークの数理モデルが得られないことを前提に,高次元ではあるが,非常に少ない標本データをもとにデータ駆動型の安定化を実現する点が特徴的である。
【講演2】
山村 雅幸 先生 (東京工業大学 教授)
演題:分子エコ動態学 ― 分子・細胞レベルから再構築する生態学
要旨:生態学では伝統的に比較的大きな目に見える多細胞生物の個体群における生存競争を対象として、ロトカ・ボルテラ方程式に代表される数理を展開してきた。最近、目に見えない単細胞微生物やもっと小さな生体由来の分子をベースとして生物群集の成り立ちを計測できるメタオミックス技術が急速に発展を遂げ、生態学を分子・細胞のレベルから再構築することが可能となった。本講演では、まずメタゲノム解析の手法を概観し、研究例として多摩川流域のメタゲノム解析について紹介する。次に、生態系の動態の数理解析について新しいモデル化の研究例として、2次元に分布する水産資源個体群の動態シミュレーションと、それに基づくレジームシフトのデザインについて紹介する。現在、メタオミックス計測技術と数理生態学の結合は始まったばかりだが、今後の進展に応じて分子エコ動態学の新たな展開が見込まれる。なお、分子・細胞レベルでの計測・数理モデル化には、分子ロボットなどの分子・細胞レベルでの人為介入を試みることが自然である。従来の制御工学がどちらかというと現象をねじ伏せて来たのに対して、そのような介入の効果はよりソフトなコンディショニングとなるであろう。分子ロボットのフィール
ド応用の一つの在り方として期待している。
12:30-12:50 受付
12:50-13:00 開会の挨拶
13:00-13:50 井村先生のご講演
13:50-14:00 質疑応答
14:00-14:05 休憩
14:05-14:55 山村先生のご講演
14:55-15:05 質疑応答
15:10頃に閉会
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